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塾長コラム

再掲【塾長コラム】塾の偽装広告、ちょっとねえ。

 以前、大手の鉄鋼や自動車メーカーの『性能偽装問題』が話題になったことがありました。定められた品質検査をしていなかったり、実際のデータをごまかしてより高い性能であると見せかけて販売したりなどの、モラルを欠いた実に見苦しい一連のニュースです。

 わたしたち消費者は、買い物選びをするときに、その品物の性能や品質についての説明(『性能表示』や『仕様書』といわれるもの)を見て判断するのがふつうです。クルマであれば馬力や燃費などの具体的な数値が、買い物選びの大切な判断材料になります。
 話題のメーカーは、その『性能表示』に“意図的に実際よりも価値のあるものと見せかける”ようなことをしたというのですから、かなり悪質な《詐欺行為》といわれてもしかたありません。

 競争の激しい業界では、販売合戦がゆきすぎて、気をつけないとついつい『広告宣伝』が実態を大きくはみ出してしまいがちになります。いわゆる、《誇大広告/虚偽広告》の類です。

 ご多分にもれず、学習塾業界の『広告宣伝』にもこれはどうかなあと思われる怪しげなものがかなりあります。理由としては、学習塾の性能表示が、自動車の馬力や燃費のように厳密な《数値》として表しにくいことがあげられます。

 塾業界の『性能表示』と『仕様書』についての《誇大広告/虚偽広告》については次のようなものがあります。


塾業界の『まぎらわしい性能表示』

 ア.合格実績の表し方で《誇大広告/虚偽広告》が疑われるもの
 合格実績は、その塾の『性能』を表す重要な指標のひとつですが、いかがわしい塾ではごまかしが横行しています。

《進学実績ではなく合格実績を表示する》……浦高に合格した子がすべりどめとして栄東、市川、城北などの私立高校に同時に合格した場合に、そのすべてを実績としてカウントするというかたち。
 多くの塾でこの方法をとっているようですが、実はこれ、“本当は一人の受験生が挙げた実績をあたかも多くの塾生が合格している”と見せかけているわけですから、『かさ上げ偽装』以外のなにものでもありません。
 この塾はこんなに多くの合格者を出しているのだと思い込んで入塾する受験生たちを騙していることにならないでしょうか?

《有名校への合格者が出た年だけ公表する》……例えば、「浦和高校などに合格してます」という広告、10年に一人だけの浦高合格の実績だとしたら、その塾に通えば必ず浦高に入れると信じた人を失望させるにちがいありません。

《そもそもの塾生の総数(分母)を公表しない》……「浦高合格50名」と広告しているが、実は教室の支店数が多く、受験生の総数が3000人いるなかの50名としたら、いかがなものか?
 また、毎年毎年、東大への合格者数が増えているという棒グラフを自慢にする塾が、実は毎年どんどん他塾を吸収合併するような塾(毎年、教室がかかえる塾生の数=分母を大きくふくらませている)だとしたら、実はその塾の真の教務力が東大合格者をふやしていることにはなっていないのでは?

《他塾の実績を自塾のものと偽る》……夏期講習や日曜教室だけの特別講座で「浦高・大宮・一女クラス/一日通塾コース」を開設し、その講習にちょっとだけ参加した子の合格実績をかさ上げに使用するのは反則行為では?
 他塾の努力による(多くの日数をかけて成し遂げた)合格であるものを、自塾の実績とするのは、いかがなものでしょうか?

《合格者数をごまかす》……これはもう、最低です。
 集客のためとはいえ、「先生」と呼ばれる仕事をしている者として、このレベルのモラルでまともな学習指導ができるはずはありません。

当勉強クラブの実績表示は、まぎらわしい“合格実績”ではなく、その子が進学した一校のみの『進学実績』にしております。また、HPの『歴代実績一覧』には、好成績の単年度ではなく10年分の塾生全員の進学先をすべて表示(イニシャル表示)しております。


 イ.成績UPの偽装表示《誇大広告/虚偽広告》が疑われるもの

《学校の定期テストでの得点UPのごまかし》
……みなさんは、中学校の先生がお作りになる中間テストや期末テストの難易度が毎回大きくゆれ動いているのはご存じでしょうか?
 たとえば、同じ学校の同じ先生がお作りになる定期テストにおいて、中間テストの学校平均点が40点だったのに、期末テストのそれが70点になる、というような困った状況がわりあい多く発生しています。
 おそらく、中間テストを難しいものにしすぎてしまった(生徒の実態から遠いテスト)反省から、あわてた先生が期末テストはグッと易しいものにした、というようなことなのでしょう。
 北辰テストやVもぎなどのような広い地域の多数の受験生を対象にする客観テスト(実力テスト)に比べて、中学校内で実施される定期テストには、本来望ましくないこのような『“揺れ”が生じている』ということです。
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 勉強クラブでも塾生たちの中間・期末テストの得点を定点観測しており、なぜかその中学校の子どもたちが皆やたら100点に近い高得点をとってくることもあれば、その次の試験では50点を割り込む子ばかりといった結果になることがあります。

 さて、そのゆゆしき事実ですが、実は、どこの塾の関係者も充分すぎるくらい認識しているはずです。
 “揺れ”のあることを知っていながらその“揺れ”を都合良く利用した次のような広告文句には、とても大きな偽装が含まれていることになりますが、おわかりでしょうか?

──瑞穂中の鈴木洋子さん(仮名)、数学の期末テストで30点もUP!

 瑞穂中の中間テストから期末テストにかけて、鈴木さん以外のほかの子の得点はどんなふうに変化しているのでしょうか? ほかの子も皆30点前後の得点上昇があれば(つまり、平均点自体が上がっている)というときには、鈴木さんの『期末テストで30点もUP』は、ごくふつうのことであり、その塾の特別な教務力(品質)の高さがそこに存在しているということではありません。その中学校の平均点(生徒全体の成績の推移を表すもの)を併記せずに、こうした広告のしかたをするのは、よろしくありません。

 本当はナイのに、アルと宣伝して生徒集めをするという行為は、性能偽装/詐欺になりはしないでしょうか?

 このくらいのアバウトな数値データで、世の中のお母さまがたのココロは動かせるものだと考える塾の背景には、真剣な受験生や保護者らを見下すとても残念な姿勢がすけてみえます。
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 ただ、この件に関しては、創立後まもないなどの理由で、高校入試の進学実績などが薄い塾などでは、いかがわしい広告表示と承知の上でやむを得ず『期末テストで30点UP!』とうたっている可能性もあります。
 「……で、その中学校の数学の全体の平均点は中間テストから期末テストにかけてどのように変化しているんですか?」と確認されるかしこいお母さまがたが増えているとの噂もあり、めくじらをたてるほどのことでもないやもしれませんが。

当勉強クラブでは、中間期末テストの成績は、平均点とのからみの中でお子さまの成績が上がったのか下がったのかの正確なご判断をする、という方法をとっております。また、お子さまの成績は、ほかのテストの数値も併用し、正しい実力診断をしております。

※『塾選び』は、大切な子供のその後の成績の伸びにかかわる大きな選択です。軽々しいお気持ちで塾選びをされるお母さまやお父さまがたは一人もいらっしゃいません。
 学習塾側は、広告表示について、フェアな心持ちで正確な表現につとめなければならないと思います。自戒もこめて……

 勉強クラブ塾長/深 谷 仁 一
   (日本脚本家連盟・日本放送作家協会員)
              

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