【塾長コラム】英語科、中2中3生に21年ショック!
【へとへとの中学生】
2021年4月、中学校の教科書が変わりました。『新学習指導要領』にもとづく大きな改訂が予定されていましたが、4月に手もとに届いた教科書には、予想以上の変化がみられました。
英語は中学校から学び始めるというのが従来の常識でしたが、現在は小5からすでに本格的な英語学習が始められています。小学校で2年間英語を学んできたうえでの『中学英語』が、この21年から本格始動したのです。
今年、新中1年生になった子たちは、その波にのりきれているように見えます。小学校のときからそういう進行の中で学んで来たからです。ところが、この春中2や中3になった子たちは、「こんなはずではなかった」という大きなショック状態にあるようです。
移行措置がとられていたはずですが、昨年からのコロナ禍のダメージが影響し、少なくとも去年までは“ゆるい英語指導”のままでした。
それが、今年から急にハードな教科書に変わったということです。
中学校では、毎回シャワーのように新出単語があびせられ、これまでは何とかついてこれた生徒たちがパニック状態です。
かつて、学校教育には“ゆとり教育”とよばれた理念がありました。指導する内容を少なくして落ちこぼれる子を無くすという考え方。それに比べて、今年からの英語教育は、落ちこぼれる子たちが出るのはある程度仕方ないとでもいうようなキビしい進行です。
勉クラでは、その新しい変化に乗り遅れまいと、今年、オリジナルテキストの大改訂を実行しています。その結果、速習Sクラスはもとより、錬成Bクラスでさえも宿題の量が昨年までの約2倍に増えました。
その結果何が起こったか。案の定、今年になって上位クラス基礎クラスにかかわらずへトヘトになってしまっている子たちが勉クラの中にも散見します。
【何が変わったか】
指導される文法事項のほか、単元配置なども大きく見直された“新しい英語指導”が始まったのです。
わかりやすい変化の例として、たとえば、学ぶべき英単語の数。
これまでの英語指導では中3終了時に1200語でしたが、新学習指導要領では、小学校で学んだ700語に加えて中学校で1800語学ぶ計画ですから、中3終了時に合計2500語を学ぶ、という計画です。
勉クラではこれまで特別な準備をしなくても英検は中3までに準2級や3級が自然にとれていました。文科省のうちだしている中3終了時に2500語を学ぶという進行は、ほんとうに達成すれば“日本中の中学生・全員が中3までに英検2級をとる”という新しい学習計画になっているのです。
【逃げだしたくなったキミに】
なんだか大変な進行への変化の中で、へとへとになってしまった。逃げだしたい。そんな気分になってしまうのは理解できます。でも、逃げだそうとすればするほど、敵は、悪魔のように大きな手強いものになって襲いかかってきます。
逃げるのは簡単だけど、まず一歩踏み出してみる、というのはどうだろう。
新しい英語の学びは、一つひとつ丁寧に学ぼうとすると、具体的に、面白いこと、ためになることであふれています。
お父さんやお祖父さんの時代は、何年も英語を勉強し立派な高校や大学を卒業してもロクに英語を使いこなせないというのが当たり前でした。今、小中学生が学んでいる新しい英語は、それに比べるとずうっと“役に立つ英語”になっています。新しい教科書は、それくらい濃い~んです。
わけわかんないと逃げてしまうのではなく、一つひとつにじっくり取り組んでみる。根気のいることではありますが、それしか手はなさそうです。
負けないで!
きっと道はひらけてくる。
勉強クラブ塾長 深谷仁一
(日本脚本家連盟員)