進学教室 勉強クラブ
本 校
048-953-4768
南教室
048-948-0030
お問い合わせ専用フリーダイアル
®0120-7-37415
お問い合わせ・資料請求
塾長コラム

【塾長コラム/再掲】塾の広告、これでいいのかナ?②

勉強クラブのオリジナル実力テスト
奇跡の一枚/実際に勉クラの塾生を撮影

①の続きです。  こちらは②です。

  


「全員を志望校に合格させます」って本当ですか?


 よく、「全員を第一志望校に合格させます」という宣伝文句をかかげる塾がありますが、あれは本当なのでしょうか? もしかしたら事実かもしれませんが、勉クラではこの40年間、悔しいですが一度も「全員の第一志望校合格」を達成できていません。入試直前の実力テストの結果を見て第二志望校に志願先を変更したり、残念ながら不合格となりスベリどめとして受けた私立高校にいくことになったりする場合が、毎年どうしても起こってしまっています。

 ※勉クラでは、HPの進学実績欄の文頭に『全員が第一志望校に合格したわけではない』と表示しておりますが、それは、そうした事実があるということを前提としてご認識いただきたいというメッセージにほかなりません。



「春期講習だけで偏差値を10ポイントUP」って、どういう測定値ですか?

 「春期講習だけで偏差値を10ポイントUPさせます」というキャッチフレーズも気になります。
 埼玉県の中学生の人数は、各学年とも全体でおよそ67000人におよびます。偏差値というのは究極の相対評価で、たとえば、自分が頑張っても同じレベルの数千人が同じように頑張ったなら論理的にはピクリとも動かないのが“偏差値”というものです。他の数千人単位のライバルたちに比べて圧倒的に卓越した努力をつみかさねることによって、はじめて偏差値は動きます。

 北辰テスト(ほくしんてすと:埼玉県内で中学生の実力を測る典型的な会場テスト)の偏差値基準では、越谷東高校の合格基準偏差値は48前後、プラス10ポイントといえば、越谷南高校の基準偏差値が58前後です。
 表現をかえると、その塾は「春期講習だけで越谷南に合格させます」と言っていることになります。
 はたして、春期講習の1~2週間で“本当に実力をのばす=偏差値を10ポイントUPする”ということが可能なのか、ということを問いたいのです。

 これまたそうしたノウハウをお持ちの塾もあるいは存在するのかもしれませんが、偏差値は、少なくとも過去2~3ヶ月、あるいは半年間の勉強の習慣を反映するもであることは、ベテランの指導者であれば誰でも承知しているはずのことです。

 数学の応用問題で得点するためには、問題文をすばやく読み取る『国語力』が必要ですし、ある種の国語の説明文の読解問題で得点するためには『社会科』の歴史・地理・経済の知識、あるいは『理科』の物理や生物の知識が必要な場合もあります。
 実力が問われる入試や会場テストでは、しっかりとした学習の積みかさねをしてこそ身につけることができる“総合力”が、不可欠なのです。

 その“総合力”、春期講習だけで本当に実現できるのですか? そして、その偏差値とは、いったいどんな実力テストによる測定値なのですか?


「期末テストの得点が60点上がった」という塾、進学実績はどうなの?


 プロの塾講師は、入試の成功には“総合力”が必要であるという点で、学校の定期テスト対策と、実力を育む指導は、まったくの別物であるということを充分認識しています。
 中間・期末テスト対策では、前後のつながりはさておいて教科書の“太字の部分”だけを丸暗記させることによって生徒の得点を急上昇させるようなことが可能です。 ××は「A」である、ということだけを繰り返す指導です ××は「B」である、××は「C」である、ということだけを暗記させて期末テストの得点を上げさせる。
 それが、正しい勉強法か否かは別として、この方法は、一、二週間ですぐに結果が現れるので、個別指導塾や実力養成の教務ノウハウに自信のない塾などが《保護者を短期的に納得させるため》によく見られるかたちです。

 「○○塾に入ったら、たった二週間で、期末テストの得点が前より60点上がった」というセンセーショナルな宣伝文句が、いかに危うく保護者やお子さまがたを惑わすものであるか、その悪影響は甚大です。

 そして、そういう塾にかぎって、入試の実績の詳細をつまびらかにしません。
 そこまで定期テストの成績が良いならどういう高校に何人の合格者がいるのだろうか興味もわくのですが、結果の全体像を決して明らかにしません。ズルいと思います。たまさか晴れがましい結果が出たときのみその一例を公表し、あたかも全塾生がこうだとばかりの広告は、もちろん誇大広告以外のなにものでもありません。悪質だと思います。

 ※三郷市内の学習塾で、受験生全員の結果をすべて公表している塾は、当勉強クラブのほか、城先生の主宰する『小島進学セミナー』さんなど数校ほどです。
 いずれも、広告よりも教務の質そのものの向上に熱心な先生のいる塾という共通点がある良心的な教室です。

 実際の入試や北辰会場テストなどでは、記述式や“考えさせる問題”がメインとなっています。【××は何ですか……「A」です】という単純設問ではなく、【××は「A」で、××は「B」となることの理由を、××が「C」であることと対比しながら60字で説明しなさい】というかたちの設問が多くなっています。

 そういう問いに対して、論理的な筋道を作って正しい答えをみちびきだす力、良心的な学習塾では、そうした“ほんとうの実力=総合力”を養成するための地道な指導に時間をかけつつ懸命に取り組んでいるはずです。

 ですから、教務に真面目な学習塾の広告では、「たった一週間で」とか「春期講習だけで成績が上げられる」、などとは決して言いません。子供たちの実力=“総合力”を育成することが、実は非常に難しく、学生アルバイト講師にちょいとまかせてハイそれで大丈夫とは決して考えないからです。

 売り上げを時間単位で計上するという宿命をもつ個別指導塾などでは、「一次関数を2コマで」とか「進行形を60分で」というような指導計画になりがちです。
 もちろん、指導を受ければそれなりにお子さまの利益にはなりますが、それは、「一次関数」について理解したということであり、それによってにわかに“偏差値を上げる=数学の実力をつけられた”ということにはなりません。

 お子さまに、できるだけ正しい勉強法を提示して、ほんとうの実力を身につけてもらうための計画的なトレーニングにじっくり時間をかけること、他塾さまには別のノウハウもあるのかもしれませんが、当勉強クラブでは、その方法以外にお子さまの実力=“総合力”UPをはかる方法はもちあわせておりません。


そもそも「定期テスト、“前よりも60点UP”」は、あまりにアバウトすぎでは?


 さらに、期末テストで“前よりも60点UPしました!”というセンセーショナルな宣伝をする塾もありますが、そうした塾では、中学校の定期テストの定点観測を正確におこなっているのでしょうか?
 経験を積んだ教員のいる塾では、中学校の定期テストの難易度が“いつも同じになっていない”ことを充分承知しているはずです。

 前の中間テストの平均点と今回の期末テストの平均点が同じ数値であれば、「60点UP」という表現に意味がありますが、実際に中学校の先生方がお作りになるテストがいつも同じ平均点を為しているとはかぎらず、したがって、単純に「テストの点数が前より○○点上がりました」という言説がいかに正確さに欠けたいいかげんなものか、明らかです。

 そのことを識らずにそうした宣伝文句を使う塾は、指導責任者の経験不足・いいかげんさを露呈していると言えるでしょうし、識っていてそういう文言で宣伝している塾は、保護者や子供たちにまやかしの情報を与えて自塾の利益をはかる極めて利己主義的な塾だと想像されます。

「成績を保証します」には驚きました!


 いくつかの塾で、《成績保証》をキャッチフレーズにしているところがあります。入塾したときの偏差値よりも卒業時の合格した高校の偏差値が下回っていた場合、お月謝を返金するというシステムをうたっている塾です。
 すごい覚悟で指導している塾であり、それが可能なら大変にすばらしいと思われます。

 しかし、広告チラシの片隅に小さく《入塾時は全国レベルの実力テストの偏差値で、卒業時は合格した高校の北辰テスト基準の偏差値で判断します》という注意事項があるのを見て愕然としました。成績保証の入り口と出口で別の実力テストの偏差値を使用していることを、消費者庁が知ったらどういうお叱りを受けるでしょうか。

 全国規模の実力テストとは、たぶん、塾教材の会社が実施しているもので、塾で学んでいるお子さまばかりが受験するテストですから偏差値の刻みは、当然、北辰テストのそれとは違い、厳しい数値がでることが多いはずです。

 《成績保証》をうたうのであれば、当然、入塾時と卒業時を同じ実力テストの偏差値で測り、これこれ上昇しましたと説明するのが正義というものではないでしょうか?
 少なくとも、学習塾の業界にあって、別の実力テストの偏差値を使い分けることが、どんなにアンフェアで、保護者やお子さまがたの塾選びの判断を惑わし、馬鹿にした宣伝であるか。それを認識しておらぬはずはないと思われますが……。

 ウチの塾に入れば必ず成績を上げるという覚悟を公にすることは立派ですが、別の実力テストの偏差値を使い分けているとすれば、不当表示防止法に抵触してしまっている可能性もありえませんか?

                         

 たいていのお子さまにとっては、高校入試は一生に一度きりのもので、その“結果”は、決して取り返しのつくものではありません。実際は広告しているほどの教務力がないにもかかわらず、“ある”と見せかけて、営利目的で保護者さまや子供たちを惑わすこと、その罪の重さをしっかりと認識することが大事だと思います。


 たとえば、HPやDM、チラシ内の写真ひとつとっても──


 チラシ作成の広告屋さんは、「ほら、こんな可愛らしくて頭のよさそうな子の写真がありますから、これをイメージ広告としてどーんといきましょう」と、どこかの教室で勉強中のうるわしい子供モデルの写真素材をもってきます。
 しかし、当塾では、HPやDM、チラシ内のほとんどすべての写真を、そうした素材から転用して使用することは絶対にありません。当塾の写真は、実際に勉クラの教室内で撮ったものばかりを使用しています。

 それは、もちろん、「ないもの」を「あるもの」と見せかけて、保護者やお子さまがたを少しでも惑わすことがないようにするための当塾の広告作成のコンプライアンスに基づいております。


 他塾の批判をするより、自らの襟をただすことのほうが上品な生きかたですが、それにしても、憤慨せざるをえないいかがわしい塾広告を散見し、書きなぐりました。ご無礼、お許しください。


         進学教室勉強クラブ塾長 深 谷 仁 一 日本脚本家連盟・日本放送作家協会員

お問い合わせ・資料請求
PAGE TOP