偏差値ってなんだろう?/当塾の成績評価について 「ママ、今日のテストで、ボク、100点とったよ!」 「えらいわね、お兄ちゃんは数学の中間テスト、72点だったのヨ」 お子さまがテストで良い成績をゲットしたときには、とにかく大きくほめてあげると、その後のヤル気にもつながるものですから、このお母さんの対応はとてもすばらしいです。 しかし、このお母さん、実は、決定的なミスをおかしています。どっちが良い │ 弟の得点 100点 │成績なの?① │ 兄の得点 72点 │ ──小5の弟クンのこの日のテストは、どんなテストだったのでしょうか? 例えば、平均点が96点のやさしいテストで、クラス25人のうち18人が実は100点をとっていたといった“やさしいテスト”だったとすると、この子の『100点』の値打ちはいかがなものでしょうか? 逆に、お兄さんの数学のテストは、“難しい問題のテスト”で平均点が48点、そしてクラス40人のうち大部分が50点以下だったとしたら、このお兄さんの『72点』は、かなりピカピカした晴れがましい成績だといえないでしょうか? テストごとの難易度(なんいど)のばらつきを考えにいれると、単純な点数だけでお子さまをほめたり叱ったりしてはいけないことがわかります。 │ │ 得点 │平均点│クラス順位│クラス内偏差値│どっちが良い │弟クン│ 100点│ 96点│ 1位 │ 51.7 │成績なの?② │兄さん│ 72点│ 48点│ 1位 │ 68.3 │ お子さまの実力を知る方法として、“順位”もあります。 例えば、先の例のお兄さんのクラス順位が、40人中1位であったとなれば、『72点』でも、実は、弟クンの1位と同じくらい値打ちのある成績なのだ、と判断することができます。 さて、しかし、入試に臨む場合のような、よりくわしい測定値がもとめられるときは、この兄弟の『1位』も、もう少し細かく評価しなければなりません。 お兄さんのほうは、クラスでただ一人ダントツの1位なのに対し、弟クンのほうは、18人もいる1位の子のうちのひとりにすぎないとすると、同じ『1位』であってもその値打ちに大きな違いがあるはずだからです。 ──『偏差値』は、子供たち一人ひとりの実力の状態、成績の伸び(あるいは成績不振)をもっと正確に測りたい、そういう強いニーズを背景にして開発された学力の測定法です。 上記の表②では、『偏差値』を比較すると、弟クンの51.7に対し、お兄さんの偏差値は68.3とあり、クラス内のお兄さんのガンバリ度が、弟クンよりいかにすばらしいものであるかがはっきり数値として表されています。 お母さんは、今回は、お兄さんをこそほめてあげねばならなかったことがわかります。《1》【偏差値とは何か?】 偏差値は、このページの下図(偏差値を算出する式)によって求められます。 “標準偏差”などという用語があって難しそうですが、当勉強クラブでは、以下のように説明しています。 ●偏差値・・・そのテストを受けた全体の生徒の中で、その子の成績が、どのレベルにあるか【平均点からの偏り(かたより)】を数値化したもの。 そのテストを受けた全体の中での「その子の成績の状態」を数値で表すのが偏差値で、ちょうど平均点付近にある場合、ふつうは、偏差値は『50』となります。 お子さまの成績が平均より上にある場合、数値は、51、52、53・・・と上昇し、逆に平均より低いと49、48、47・・・と下降します。 よく出来たテスト(特に難しすぎるテストや特に易しすぎるテストでないもの)であれば、上位の子の偏差値は『70~75前後』に、成績のふるわない子の偏差値はだいたい『30~25前後』になるのがふつうです。 ※ちなみに、偏差値は「53」とか「47」のように“呼びすて”します。「53点」 のように、“~点”を付けないようにしましょう。《2》【小さなテストと大きなテスト】について テストは、いうまでもなくお子さまの学力を測るためにありますが、その目的によって大きく二種類あるものとご理解ください。 すなわち、先生がお子さまのその単元での達成度を確認するための『小さなテスト』と、広い範囲でのその教科の学力を測る『大きなテスト=実力テスト(客観テスト)』です。 実力を身につけてもらうためにはふだんからの小さな積みかさねが大事ですから、指導者の仕事として『小さなテスト』の実施は絶対に欠かせません。例えば、先の例の弟クンが受けた100点がクラス内で18人もいるテストはそれに当たるもので、やさしすぎるからといって否定されるものではありません。 勉クラ内で1~2ヶ月ごとに実施している『単元テスト』も、分類上は『小さなテスト』にあたるものです。 一方、先生というものは、時にはもっと大きな範囲で受け持ちの子の学力を測りたいと考えます。たとえば、入試に立ち向かう子を受け持っている場合は、その子の実力がクラス内だけでなく、県内、首都圏内、全国内でどの水準にあるかをチェックしないと責任が果たせません。 『大きなテスト=実力テスト』は、そういう目的のためにあります。 小さな単元内での“できる・できない”ではなく、広い範囲から出題される『大きなテスト=実力テスト』の実施(【偏差値】を調べる)という方法は、ですから、たいていの塾では必須の教務項目になっています。 ア 当勉強クラブでは、中学部の塾生に『北辰図書の会場テスト』を受けさせています。埼玉県内の小中学生は、一学年の生徒数は約66000人ほどですが中3生ともなると、そのうちの約8割が北辰テストを受けて実力診断をします。 大規模なテストですから、その偏差値データは高校入試でのその子の力を測るのにきわめて有効なツールで、当塾では実力診断と受験相談等の資料としてそのデータをフルに活用しております。 イ 小学部では、ふだんは『塾内単元テスト(小さなテスト)』によって成績を管理していますが、年に1回、『育伸社の学力テスト』を受けてもらい、お子さまの全国規模の小学生たちの中での実力診断をしております。 また、中学受験部では『四谷大塚の公開組み分けテスト』を2ヶ月ごとに受けさせて、偏差値の推移を管理しています。《3》【勉クラの教務目標と成績の評価】について 補習系の塾や、学生アルバイトの先生がつきそう個別塾、プリント学習が中心の自習型の塾では、学校で実施される“小さなテスト”での短期の成果を教務目標にしているところが多いようです。 「100点とったヨ!」 というお子さまの声は、お母さまにとっても非常にうれしいものですから、塾のチカラを単純にアピールするにはとても直接的で、それはそれで結構なことです。 ただし、学校追随型の、“小さなテスト”での短期の成果ばかりを追うことにより、志望校合格=真の実力を身につけさせるという本来の目的を見失ってしまってはなりません。 当勉強クラブでは、進学教室であること、その使命と責任をはたすために、中学部の個々の成績の評価は、主に“大きなテスト=偏差値”によって行っています。小学部の授業も高校入試での成功をめざすというきわめて長期的なスタンス=大きな教務目標のもとで、指導しています。 例えば、 中学1年生の最初の中間テストなどは、範囲もせまく“小さなテスト”的な傾向の出題で、当塾では英数の特別な中間テスト対策はしませんが、ほとんどの塾生が日常的な勉クラのカリキュラムの授業だけで100点に近い得点をとってしまいます。 また、先日、計算問題ばかりの、ある中学の3年生の中間テストの内容を見て、当塾の数学科指導チームからは、「このようなテストにふりまわされていたら、真の実力養成=高校入試に通用する実力を育てるための大切な時間を浪費してしまいかねない」という心配の声がもれておりました。 当塾では、実力をつけてもらうという大きな教務目標のために、場合によっては学校のテスト内容そのものさえも冷静に客観視することさえあるということです。 お子さま一人ひとりの“実力”を養成するための独自のカリキュラムとオリジナル教材による当塾の授業は、進度や内容において、S・Aクラスにあってはおおむね中堅私立中学レベル以上のものになっています。 各公立中学の指導のバラツキとは別個の、わたしたち勉クラのスタッフが「15歳までに学んで欲しいと思われるすべてを網羅(もうら)した独自のカリキュラム」でお子さまの指導にあたっています。 ──名付けて、 『勉強クラブ標準』 長期にわたる緻密な学習計画は、そのプロセスにおいて難しい局面もありますが、偏差値による厳密な成績管理をベースにしてお子さま一人ひとりの学習指導に努めております。※この記事は、『小4小5のための進路相談』のために作成した資料に一部加筆してつくりました。内容に関してご不明の点がありましたら当塾教務部までお問い合わせください。 偏差値をもとめる式 トップページに戻る
「ママ、今日のテストで、ボク、100点とったよ!」
「えらいわね、お兄ちゃんは数学の中間テスト、72点だったのヨ」
お子さまがテストで良い成績をゲットしたときには、とにかく大きくほめてあげると、その後のヤル気にもつながるものですから、このお母さんの対応はとてもすばらしいです。
しかし、このお母さん、実は、決定的なミスをおかしています。
どっちが良い │ 弟の得点 100点 │
成績なの?① │ 兄の得点 72点 │
──小5の弟クンのこの日のテストは、どんなテストだったのでしょうか?
例えば、平均点が96点のやさしいテストで、クラス25人のうち18人が実は100点をとっていたといった“やさしいテスト”だったとすると、この子の『100点』の値打ちはいかがなものでしょうか?
逆に、お兄さんの数学のテストは、“難しい問題のテスト”で平均点が48点、そしてクラス40人のうち大部分が50点以下だったとしたら、このお兄さんの『72点』は、かなりピカピカした晴れがましい成績だといえないでしょうか?
テストごとの難易度(なんいど)のばらつきを考えにいれると、単純な点数だけでお子さまをほめたり叱ったりしてはいけないことがわかります。
│ │ 得点 │平均点│クラス順位│クラス内偏差値│
どっちが良い │弟クン│ 100点│ 96点│ 1位 │ 51.7 │
成績なの?② │兄さん│ 72点│ 48点│ 1位 │ 68.3 │
お子さまの実力を知る方法として、“順位”もあります。
例えば、先の例のお兄さんのクラス順位が、40人中1位であったとなれば、『72点』でも、実は、弟クンの1位と同じくらい値打ちのある成績なのだ、と判断することができます。
さて、しかし、入試に臨む場合のような、よりくわしい測定値がもとめられるときは、この兄弟の『1位』も、もう少し細かく評価しなければなりません。
お兄さんのほうは、クラスでただ一人ダントツの1位なのに対し、弟クンのほうは、18人もいる1位の子のうちのひとりにすぎないとすると、同じ『1位』であってもその値打ちに大きな違いがあるはずだからです。
──『偏差値』は、子供たち一人ひとりの実力の状態、成績の伸び(あるいは成績不振)をもっと正確に測りたい、そういう強いニーズを背景にして開発された学力の測定法です。
上記の表②では、『偏差値』を比較すると、弟クンの51.7に対し、お兄さんの偏差値は68.3とあり、クラス内のお兄さんのガンバリ度が、弟クンよりいかにすばらしいものであるかがはっきり数値として表されています。
お母さんは、今回は、お兄さんをこそほめてあげねばならなかったことがわかります。
《1》【偏差値とは何か?】
偏差値は、このページの下図(偏差値を算出する式)によって求められます。 “標準偏差”などという用語があって難しそうですが、当勉強クラブでは、以下のように説明しています。
●偏差値・・・そのテストを受けた全体の生徒の中で、その子の成績が、どのレベルにあるか【平均点からの偏り(かたより)】を数値化したもの。
そのテストを受けた全体の中での「その子の成績の状態」を数値で表すのが偏差値で、ちょうど平均点付近にある場合、ふつうは、偏差値は『50』となります。 お子さまの成績が平均より上にある場合、数値は、51、52、53・・・と上昇し、逆に平均より低いと49、48、47・・・と下降します。
よく出来たテスト(特に難しすぎるテストや特に易しすぎるテストでないもの)であれば、上位の子の偏差値は『70~75前後』に、成績のふるわない子の偏差値はだいたい『30~25前後』になるのがふつうです。
※ちなみに、偏差値は「53」とか「47」のように“呼びすて”します。「53点」 のように、“~点”を付けないようにしましょう。
《2》【小さなテストと大きなテスト】について
テストは、いうまでもなくお子さまの学力を測るためにありますが、その目的によって大きく二種類あるものとご理解ください。
すなわち、先生がお子さまのその単元での達成度を確認するための『小さなテスト』と、広い範囲でのその教科の学力を測る『大きなテスト=実力テスト(客観テスト)』です。
実力を身につけてもらうためにはふだんからの小さな積みかさねが大事ですから、指導者の仕事として『小さなテスト』の実施は絶対に欠かせません。例えば、先の例の弟クンが受けた100点がクラス内で18人もいるテストはそれに当たるもので、やさしすぎるからといって否定されるものではありません。
勉クラ内で1~2ヶ月ごとに実施している『単元テスト』も、分類上は『小さなテスト』にあたるものです。
一方、先生というものは、時にはもっと大きな範囲で受け持ちの子の学力を測りたいと考えます。たとえば、入試に立ち向かう子を受け持っている場合は、その子の実力がクラス内だけでなく、県内、首都圏内、全国内でどの水準にあるかをチェックしないと責任が果たせません。
『大きなテスト=実力テスト』は、そういう目的のためにあります。
小さな単元内での“できる・できない”ではなく、広い範囲から出題される『大きなテスト=実力テスト』の実施(【偏差値】を調べる)という方法は、ですから、たいていの塾では必須の教務項目になっています。
ア 当勉強クラブでは、中学部の塾生に『北辰図書の会場テスト』を受けさせています。埼玉県内の小中学生は、一学年の生徒数は約66000人ほどですが中3生ともなると、そのうちの約8割が北辰テストを受けて実力診断をします。
大規模なテストですから、その偏差値データは高校入試でのその子の力を測るのにきわめて有効なツールで、当塾では実力診断と受験相談等の資料としてそのデータをフルに活用しております。
イ 小学部では、ふだんは『塾内単元テスト(小さなテスト)』によって成績を管理していますが、年に1回、『育伸社の学力テスト』を受けてもらい、お子さまの全国規模の小学生たちの中での実力診断をしております。
また、中学受験部では『四谷大塚の公開組み分けテスト』を2ヶ月ごとに受けさせて、偏差値の推移を管理しています。
《3》【勉クラの教務目標と成績の評価】について
補習系の塾や、学生アルバイトの先生がつきそう個別塾、プリント学習が中心の自習型の塾では、学校で実施される“小さなテスト”での短期の成果を教務目標にしているところが多いようです。
「100点とったヨ!」
というお子さまの声は、お母さまにとっても非常にうれしいものですから、塾のチカラを単純にアピールするにはとても直接的で、それはそれで結構なことです。
ただし、学校追随型の、“小さなテスト”での短期の成果ばかりを追うことにより、志望校合格=真の実力を身につけさせるという本来の目的を見失ってしまってはなりません。
当勉強クラブでは、進学教室であること、その使命と責任をはたすために、中学部の個々の成績の評価は、主に“大きなテスト=偏差値”によって行っています。小学部の授業も高校入試での成功をめざすというきわめて長期的なスタンス=大きな教務目標のもとで、指導しています。
例えば、
中学1年生の最初の中間テストなどは、範囲もせまく“小さなテスト”的な傾向の出題で、当塾では英数の特別な中間テスト対策はしませんが、ほとんどの塾生が日常的な勉クラのカリキュラムの授業だけで100点に近い得点をとってしまいます。
また、先日、計算問題ばかりの、ある中学の3年生の中間テストの内容を見て、当塾の数学科指導チームからは、「このようなテストにふりまわされていたら、真の実力養成=高校入試に通用する実力を育てるための大切な時間を浪費してしまいかねない」という心配の声がもれておりました。
当塾では、実力をつけてもらうという大きな教務目標のために、場合によっては学校のテスト内容そのものさえも冷静に客観視することさえあるということです。
お子さま一人ひとりの“実力”を養成するための独自のカリキュラムとオリジナル教材による当塾の授業は、進度や内容において、S・Aクラスにあってはおおむね中堅私立中学レベル以上のものになっています。
各公立中学の指導のバラツキとは別個の、わたしたち勉クラのスタッフが「15歳までに学んで欲しいと思われるすべてを網羅(もうら)した独自のカリキュラム」でお子さまの指導にあたっています。
──名付けて、 『勉強クラブ標準』
長期にわたる緻密な学習計画は、そのプロセスにおいて難しい局面もありますが、偏差値による厳密な成績管理をベースにしてお子さま一人ひとりの学習指導に努めております。
※この記事は、『小4小5のための進路相談』のために作成した資料に一部加筆してつくりました。内容に関してご不明の点がありましたら当塾教務部までお問い合わせください。